オフィス街に限らずランチタイムの混雑は利用する者からすると結構ストレスです。ましてや雨が降っているだとか、冬や夏の真っ只中ともなればお店に行くことさえもためらってっしまいます。限られた時間で食事をする大変さはその環境に置かれてみないとなかなか分からないものですが、限られたリフレッシュの時間は有効に使いたいと誰しも思うものです。
お店の側からするとまた違った感想をお持ちのはずです。
12時前ぐらいから込み始めて、一旦12時過ぎに満席となるものの12時40分を過ぎるあたりから客足が途絶え13時を過ぎるころには客もまばら。。。といった感じがランチ時の風景です。つまり、お店としては客席数に限りがあるでけに短時間に集中してお客様に来て頂くよりも、フレックスタイムの様にばらばらと来ていただいた方がサービス的にもトータルの売上的にも助かると考えるのが一般的です。
この相反するテーマを何とか解決する方法はないものかと考えたところ、「女性」にスポットをあてることで解決の糸口が見えてきます。
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女性がランチタイムに選ぶ飲食店の特徴
スターバックス、タリーズ、ドトール、スープストック東京等女性が一人でくつろげてちょっとした軽食がとれるお店の定番です。これらのお店の共通点ですが、通常の飲食店と違いレイジータイムつまり午後のお休み時間がないことと、ランチタイムのお客様男女比率は女性の方が多いのが特徴です。どうやら利用する女性に好まれる点は、
- 女性客が多い
- 女性一人の客が多い
- 時間を選ばずいつでも入れる
と言うところにあるようです。
以下には、実際の店舗で女性客を集めている飲食店を御紹介いたします。
女性客の多いパスタ専門店の特徴は
以前市ヶ谷で大変繁盛しているパスタ専門店にお邪魔した際の事です。午後の2時を過ぎてもお客様が一人また一人と来店されます。さすがに3時を過ぎるとないだろうと思うとさにあらず客足は絶えません。ご主人に伺ってみると男性と違って女性は比較的変則な時間でお昼休み(休憩時間)がとれるようなので混雑をさけて来られる方が多いとのお話でした。
また、お一人で来られる方がほとんどなのでテーブル席は2人掛けが基本で、人数によってテーブルを寄せて対応しているとのことでした。お店のお休み時間を伺ったところ、お客様がいらっしゃる限りお店は開けているとの回答でした。
女性客の多い和食・定食店の特徴は
女性に人気の和食定食店といえば大戸屋が最右翼ではないでしょうか。IRを見ても女性をターゲットにしての店造りに腐心しているとうたっています。女性一人でお店に入る際に人目が気にならないよう繁盛店の定番である1階を避け、地下1階や2階などに出店する工夫もしています。
また、定食屋にありがちな休憩時間も設けずお昼頃から夜まで通しでの営業です。店内のつくりもカウンター席を多く作って女性一人でもゆったり食べられるようになっています。その結果ご年配の方も含めて女性客お一人が目につきます。ランチタイムはもちろんのこと、3時や4時でもお店はお客様で一杯です。
女性客で繁盛している飲食店からみえてくることとは
女性が一人で入りやすいお店の特徴が見えてきました。男性をターゲットにしたお店に比べランチタイムの分散化がみられるということと女性をターゲットにしているお店が少ない分固定客がつきやすく安定した売上がのぞめるということです。そのかわり、お店を開ける時間が長くなり、夕方近くまでランチを提供する工夫が求められます。
飲食店がこれから女性客を狙うための工夫とは
改善策はこの4つ!
- ランチにレディスメニューを加える
- 壁面にカウンター席を増設
- 客席にコンセントを用意する
- フリー Wi-Fiを用意する
- ランチタイムを1時間延長する
1.ランチにレディースメニューを加える
四ツ谷にあるエスニック料理のお店は、夜になるとベリーダンスのステージが出来るほどの少し広めのお店です。こちらのランチタイムではレディースランチと称して明らかにお得なメニューが用意されています。我々男性でも食べたくなるようなものです。案の定このお得メニューを目指して多くの女性がランチに訪れます。
2.壁面をカウンター席に改装、席数増設。
4人掛けのテーブル席に通路を挟んで壁際に2人掛けのテーブル席というレイアウトの飲食店が圧倒的に多いのが日本の定食屋さんの特徴です。間口よりも奥行きが長い為にそのようなレイアウトに必然的になります。この2人掛けのテーブル達を撤去し、一方の壁にカウンターを作りつけます。一度に入れるお客様の数が増えるばかりかお一人様のスペースとしても気兼ねなく利用いただけます。
3.客席にコンセントを用意する
SNSでランチタイムを目いっぱい使うと言う女性が結構な割合でいらっしゃいます。また、オークションやネットでの商品探しにも時間を掛けています。となれば携帯電話のバッテリーの残量が気になるところです。長くお店に留まるのはチョットと思われる向きもあるかもしれませんが、少なくとも来店をするインセンティブに十分なります。「あのお店に行けば充電しながらランチが食べられる!」早くからマクドナルドやドトール系列のお店等が導入して好評を得ています。カウンター席の増設の際は是非併せて工事したいものです。
4.フリーWi-Fiを用意する
SNSをするにしてもネットサーフィンをするにしてもお客様がご自身で契約した電話会社のパケットを使って楽しむことになります。ただ、パケット代を節約する為には好きなだけ楽しむとはいきません。そこでお店がフリーのWi-Fiを開放してあげれば、お客様はパケット料金を気にせずスマホでSNSやネットサーフィンを楽しむことが出来ます。これは店先の看板で大きく宣伝すると効果絶大です。
5.ランチタイムを1時間延長する
ランチタイムの時間帯は11:30~14:30ぐらいが一番多いのではないでしょうか。先に書いたような女性一人がランチタイムを目いっぱい使いたいなら混み合っているお店は気が引けるでしょうし、お客様が一人もいない中で過ごすのもなかなか居づらいものです。ここは思い切って店頭に「女性一人でもくつろげるお店。ランチタイム延長中」とでも看板を出せばこちらも効果大です。
~まとめ~
カウンター席とコンセントの工事以外はお金を掛けずにすぐに始められるサービスです。先にWi-Fiやランチタイムの延長で女性客が増えるようならカウンター工事やコンセント工事に踏み切るというのも選択肢の一つです。
今回の提案では、あくまでも女性客を増やすことを目的にしています。決してお客様を女性に限定すると言うものではありません。現在お店に訪れるお客様の割合を変えることで、
「集客数、回転数を上げよう」
という試みです。まずは女性を取り込んでいるお店に足を運んでみることです。トイレの清掃や雨の日の気配りなどきっと参考になるところが多いと思います。是非客として足を運んでみてください。